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三寒四温


一年で一番寒い時期、大寒を向かえます。

東京では一ヶ月以上雨がなく、乾燥注意報が連日続き、手のあかぎれもいっこうに治りません。

朝晩の冷たい風にあたると身も心も縮み上がります。

そんな中、手入れの作業も一段落して、植栽の準備に取りかかりました。

畑の中は冷えた地面が凍りつき、霜柱で押し上げられた地面を歩くとサクサクと音を立てます。

土の道を歩くことが少なくなったせいか、霜柱に陽が当たり、

土の隙間からキラキラ氷が光る光景も、今ではなかなか見ることもできなくなってきました。

落葉樹の移植は葉の落ちている時期が一番良しとされています。

休眠期であるため多少の無理もでき、安心して動かすことができます。

ですが、ここまで乾燥すると土の中もパサパサで、土が溢れやすく、

根鉢も慎重に掘り取りを行なわないと樹木を傷めてしまいます。

2年後3年後に樹木の成長として差が出てくるので、決して手は抜けません。

いつ動かしても大丈夫なように、根っこを作っていく、

根回しをしていくことは造園の大事な工程です。

 

一晩明けて窓の外を見てみると、辺りは一面の雪景色。

雪はやはり嬉しくなるものです。

乾燥していた空気をしっとりと潤いで満たしてくれました。

畑にも良いお湿りになっています。

寒さは厳しく、外仕事をしている私たちにはちょっぴり辛いのですが、

寒い時期があるからこそ、春が待ち遠しく、心も弾んでくるのでしょう。

寒暖を繰り返しながら春に向かうこの時期に、

陽だまりの中に身を置くと不思議と心が落ち着きます。

ゆっくりと時間が過ぎていくような気にさせてくれる陽だまりが、

住まいの暮らしの中でごく自然に触れあえたら好いものです。

寒さから学ぶことも限りなくあります。

多くのことを学べるよう、感じられるよう、研ぎすましていきたいものです。(F)