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先を見据えて

毎年の家族行事となっている明治神宮の初詣に今年も訪れました。

神宮苑内に入ると心が浄化され、穏やかに、清らかになるように感じます。

明治神宮は、『永遠の森』を目指し大正4年から造営工事が始まり、

全国から植樹する木を奉納したいと献木が集まりました。

当時、365種でしたが、東京の気候風土、生態系的ににそぐわない樹種もあり

現在では246種、17万本もの木々が豊かに生い茂っています。

 

わずか半世紀で自然の状態にもどったこの森は、何を植えたら立派に育つか、

100年後の自然の状態を見据えて当時の学者たちが考えました。

伊勢神宮や日光東照宮にある、杉並木のような雄大で荘厳なものを望んでいましたが、

杉が都会に適さないこと、東京は公害が進み苑内の大木や老木が次々と枯れていったことにより、

実現しませんでした。

そのため、100年先を見据えた神宮は、照葉樹でなければ育たないことを

当時の首相であった大隈重信らに説明し、

主にシイ、カシ、クスなどの照葉樹を植えることで決定したのです。

 

人の手を離れても美しさを保ち続け、生き生きと豊かに茂るこの森から

学ぶことは山ほどあります。

適度に林床に光りが差し込み、良い状態で生態系が保たれ、

多くの生物が共存している都会のオアシスを、先人たちが見据えて成し遂げてきたました。

私たちも先を見据えて豊かで美しく、

多くの生物が共存できる空間づくりに努力をしていかねばなりません。

 

『永遠の森』が増え、人と自然が上手に心豊かに共存できる社会でありたいと願うばかりです。 (F)