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大きな木の下で

今日は渋谷区広尾の現場だったので、昼休みに近くにある

「レストラン シェ・モルチェ」の庭を見に行きました。

庭は、一度見ただけでは分からないもののようです。季節や天候、時間や光の射し加減、

風向きなどによって、違った感じ方をします。

ここへ行くのは三度目ですが、過去二回の訪問では、鬱蒼としていて、

蚊がとても多い印象がありました。今日は、お店へ入って大窓から庭を見た瞬間、

ドーンと心に響いてくるものがあり、時々雲間から太陽が顔を出し、葉と葉の間から何条かの

光線が射しているのがとても神秘的でした。庭へ出ても台風の影響か、蚊がほとんどいなくて、

小一時間くらい至福のお昼休みを過ごさせていただきました。

林床は白いニチニチソウで敷き詰められ、周囲を縁取るように少し赤色のものも混ぜてありました。

ここは、月一回の手入れをして、定期的に花を植え替えているようです。

木は、モミジが主体で、既存のケヤキの大木もあり、常緑はツバキやモチがありました。

倒木は、自然な雰囲気を出すように敢えて入れたもののようで、そこからフジなどのツタ類が

上へと登っていくのも、ここではとても趣き深く感じられました。

隣には、大きなマンションがあるのですが、木々がそれを覆い隠し、

都心にいることを全く感じさせません。

大きな木の下を、このように花で彩るのは、中島健さんの真骨頂だと思います。

ここは、白い楚々として他愛ない花がとても心を和ませますが、

雑木林には、派手な花々が整列して並んでいると違和感を覚えるかもしれません。

これは、今年の4月に小石川植物園で撮影したものです。

半自然空間でありながら、林床に咲く野の花が可憐で、

中島健さんの作品を彷彿とさせたのを覚えています。

私達が主に扱う雑木には、どんな野の花を、どのように添えていけば、

さりげなく心を打つのか、これからも研究すべき課題は山積みです。(T)