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季節のグラデーション

今日は、ウッドフェンスの材木の塗装です。

当社では、以前は使っていた有機溶剤の使用をやめました。

自然塗料には、外部空間でも使える柿渋を始め、様々なものが出てきておりますが、

今回はお客様が用意してくれたドイツ製のこの塗料を使います。

スタンドオイルというものを主成分としていて、能登半島の漆職人も

好んで使うというほど、食器に使っても大丈夫なものです。

有機溶剤を使っていた頃は、目がしばしばしたり、頭が痛くなったりすることもありましたが、

この塗料は、アロマオイルを焚いているかのように、良い香りで気持ちよく作業ができました。

作業は、近所の植木畑を借りて行いました。

秋を感じさせる青空を背景に、ムクゲが輝いていました。

二十四節気では、明日から「白露」です。

本格的に、秋が始まるということのようです。

畑では、ハナアブが、去り行く夏を惜しむかのように、花粉まみれになっていたり、

シオカラトンボや、

赤とんぼも、飛び交っていました。

こうして、エゴの実も膨らんできました。

今日、塗るべきものを全て塗り終え一服していると、さわやかな風が吹き抜けていきました。

現代は、四季というように、一年を四分して、

または、初夏や晩夏のようにもう少し細かく捉えたりしていますが、

ほんの少し前までは、二十四節気のように、さらに細かく季節を感じていたようです。

私達は幸いにも、そんな風を敏感に感じられる職業です。

繊細な感受性を呼び覚まして、ちょっとした季節のグラデーションを

感じ分けていけたら良いなと思います。

一年に一度しか巡り会うことのできない、そんな一瞬、一瞬を、

大切に、大切に慈しんでいきたいものです。(T)