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時と共に

記録的猛暑となった2010年夏、明星大学青梅キャンパスにて土塀講習会が開かれました。

安諸庭園・安諸定男氏の指導のもと全国から駆けつけた庭師は総勢約120名。

あれから1年、その後の土塀を見てきました。

拡大時のタイトル

荒木田土は亀甲形にひび割れカチカチに固まっていました。

何カ所か軽く崩れていて、下地の竹小舞が出ていましたが、それが何とも美しいです。

今改めて見てみると、腰積みのラフな感じと土塀の高低や長さのバランスがよく、

時間的なこともあって仕上げ塗りまでは出来ませんでしたが、

それがかえってこの空間には合っていると感じました。

現在土塀の表側には榊原八朗さん(明星大学教授)指導のもと、学生たちが庭を作っています。

つくばい流れの形式で、池に水が流れ落ちる計画のようです。

植栽も雑木を中心にしてあり、周りの山と同化して土塀も際立っていました。

土塀は造園のひとつのアイテムですが、植栽や水の動きなど様々なものを、相性の良く組合わせることによって、

空間性が生まれ良い空気が流れていくのでしょう。

この土塀は、時と共に風合いの魅力を増すものだと思います。

私達も、老いることに抗うのではなく、美しく歳を重ねていけたら良いなと思います。