何気ない仮設のフェンスのまま、長らくお待たせしてしまったこの空間でも、
フェンスの骨格作りが始まりました。
この手前にはリビングの大窓があり、そこを囲うように目隠しのフェンスを作ります。
用途が第一の構造ですが、それがかつ意匠でもあるように設計しています。
全面を遮断してしまうと圧迫感がありますので、
材木を前後に打ち付け陰影を出し、光と風が通るようにします。
この現場は、井の頭公園のすぐ近くの抜群のロケーション。
昼休みは弁当を食べに木陰へ、食後は池を一周、心が安らぎます。
池では、週二回増えすぎてしまったブルーギルやブラックバスなどの外来魚を捕獲しています。
日本にもともといたクチボソなどは、どんどん減ってしまっています。
そうすると、それを食べる鳥もいなくなり、全ての歯車が狂って生態系が壊れてしまいます。
あらゆることが繋がっているのですね。
植物の外来種はどうなのだろうといろいろ考えたり、調べたりもしてみたのですが、
こちらはまた機会を改めて書いてみようと思います。
土曜日ともなると、カップルや家族連れで賑わっていて、幸せな空気に満ち溢れています。
そんな道すがらの人々をいろいろなパフォーマンスで楽しませてくれます。
さて、気合いを入れ直して現場へ戻り、玄関までのアプローチを作ります。
勾配があったので、枕木と御影石、ピンコロ石で階段にしました。
それ以外の部分は、現場で採れた黒土も使い三和土にします。
コンクリートの硬質な印象とは違い、柔らかな土の質感が気に入っています。
構造物は、あと少しで完成します。
その後は、また少しお待たせしてしまうことになるのですが、
木々と下草が入り石が入ると、どう景色が変わっていくのか楽しみでなりません。(T)