お彼岸も過ぎ、空模様も深まる秋を感じさせます。
現場では、蚊の一生も終盤を迎え、この世の最後とばかりに猛威を振るっています。
痒さからくる小憎らしさの反面、一抹の哀れみを感じつつも、
人間としても出血大サービスをするわけにもいかず、蚊取り線香のお世話になっています。
長らくお待たせしてしまいました、こちら横浜市都筑区のお客様の現場でも、
ようやく植栽日和の続く時候となり、まずは土入れをしました。
この殺風景な景色がどう変わるか、ご覧ください。
木には、木自身が植えてもらいたい場所があります。
その場所へ適切に収めると、木を植えることで却って空間を広く感じられます。
それぞれの木を単独で愛でるのではなく、木々の醸し出す雰囲気、
木と木の間の佇まいを感じられるように、空間を描いていきます。
実も沢山なっています。
これは、アオハダの実。
爽やかな新緑も秋に黄色く色づく葉もとても美しい木です。
他に、エゴ、ヒメシャラ、ヤマボウシ、ナンテンなども実をつけています。
鳥達が遊びにやってくるのも時間の問題でしょう。
こちらはナツハゼの実。
和製ブルーベリーともいわれ、アントシアニンや抗酸化成分は
ブルーベリーの倍以上あるそうです。
生でそのまま食べても、少し酸っぱくてとても美味しいです。
こちらはツリバナ。
その名の通り吊り下がっている実が、ぱかっと四つに開きます。
木々が入ることで、構造物が包み込まれ穏やかな表情にになります。
テラスの横のこの場所には水を落とし、目をつぶっていても音で自然を感じられるようにします。
テラスへと続くアプローチに下草が強弱を付けます。
植栽は、大工さんで言えば棟上げにあたるでしょうか。
前日は、期待と入り交じった不安で眠れないものです。
こうして木々が、それぞれの個性を活かせるよう適材適所に収まってくれると、
安心感と満足感で、一日の終わりにいつまでも水を撒いていたくなります。