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立夏

立夏を迎え、待ちに待った春も名残を惜しみつつ送らなければならない時節となりました。

ハクウンボクの花も咲き始め、

春を惜しんでいる暇もなく、次々と、このナニワイバラや初夏の花が弾けます。

月も改まり、カレンダーをめくると今月はミズバショウとハンノキの湿原。

この影絵を見ていたら、どうしても湿原へと旅立ちたくなりました。

そこへ向かう前に、伝統的な構法による木のたてものつくりを、

建主さんや有志の方々が参加して行っている

きらくなたてものやさんの現場へと寄らせていただき、

土壁にするためにこしらえている竹小舞掻きのお手伝いをちょっとだけさせていただきました。

竹刈りや竹割り、柿渋塗り、小舞掻き、土壁の荒塗りなどは、

現代における「結」のような形でされていて、

何回か参加させていただいていますが、毎回、集まる方々の意識の高さと

現場に充満している良い波動、そして現場にいる子ども達の存在に、

温かい気持ちにさせていただけます。

そして、明くる朝、仙石原の湿原へ到着。

ミズバショウは、既に花は終わり葉っぱはグーンと大きくなって、

カレンダーのような風景とは違いましたが、気持ちの良いことこの上ありません。

これはリシリヒナゲシというようですが、数々の山野草が今を盛りと咲き誇っています。

奥に見えるのは、先日の安藤邦廣さん講演会でも登場した仙石原のすすき野です。

毎春恒例の野焼きを終え今は、新たに芽吹いた命が成長しつつあるところです。

雨も降ったり止んだりですが、湿原は少し霧がかかっているくらいの方が気分が出ます。

芦ノ湖も一時は穏やかでしたが、

天気予報通りの雷雨が来ると大荒れ、遊覧船も欠航していました。

そんな悪天候を間一髪逃れ、雷雨に洗われた清々しい空気の中、

古からしっかりと佇む箱根古道の石畳に、新緑の木々からポツリポツリと

水滴が落ちてきます。

そこを踏みしめ歩を進めていくと、

何代も受け継がれてきている「甘酒茶屋」へと辿りつきます。

甘酒も、こんにゃくのおでんもとてもとても美味しく、極上の一時を過ごせます。

箱根の旅の最後は、ここと決めています。

この茅葺きの茶屋の内部は、しっかりと木で組まれた梁が、いぶされて美しく黒光りして、

手作りで無添加の食べ物、あたたかくもてなしてくださるお店の方、

そんな茶屋に惹き付けられてくる旅人で、良い空気に満たされていました。

立夏を過ぎ、これから今年も暑い暑い夏がやってくるのでしょうか。

その前にいただいた暫しの休息期間、新緑の木々、きらきらと光る湿原・湖面、

愛着を持って丹念に育まれる本来の家、そして感受性豊かな方々との出会いから、

心の泉は満々と湛えられ、ちょっぴり自分の波動も高まった気がしました。(T)