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雨との響演

現場へ向かう道中には、とても心の安らぐけやき並木があります.

ぶつ切りにされてしまう街路樹が多い中、その木本来の樹形を保っているので、

強剪定に反発して、枝がブワーッと出ることもなく、

葉がそよそよと気持ちよく揺れています.

現場の近くには、ひときわ高い大木が一本そびえていて、

作業を見守ってくれていました.

昼休みに、その方角に行ってみると、庭木がきれいに手入れされたお寺があり、

その銀杏からは、乳状下垂とよばれる気根が多数ぶら下がっていました.

銀杏の老木が、なぜ、このような形状になるのかは、わかっていないようですが、

雄株だけの現象のようです.

そして、現場では、この雨の中、様子を見つつ作業を進めました.

三和土は、ある程度固まった後、削り出して、より良い質感へと仕上げていくのですが、

その過程の中で、今回は、雨の足跡をも味方につけてのものになりました。

自然の造形を生かした、雨との響演といったところでしょうか。

構造物は、おおかた完成したので、今後、暑さが和らぎ次第、

植栽を始めます.(T)