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雪椿

雨水から啓蟄へと向かう候ですが、

暦通りには事は進まず本日の雪となりました。

庭作りの予定は詰まっていて、長らく待っていただいているお客様には、

ご迷惑をおかけしてしまいますが、自然には逆らえず、

全ては必然と雪の日には雪の日にしかできない過ごし方をしております。

まだまだ、とめどもなく天から雪が降りてくるさなかでの雪中散策。

雪吊りも連なると一層の趣があります。

雪には「六花」「天花」という別名がある通り、先人たちは、

冬空から舞い降りてくる雪を花びらに見立てて、

寒い季節の中にも「花」を見出しながら、あと少しで到来する春に思いを募らせたのでしょうか。

降りしきる雪の中で見る三重塔はいつも以上に風情があります。

これは雪を冠った寿老人の姿ですが、

中国の老子が天に昇って仙人になった姿と言われています。

「道(タオ)」の思想こそ、行き詰まった現代に一石を投じる考え方だと思うのですが、

寿老人は、そんな「自然との調和」を司る七福神のお一人です。

赤い椿には、「気取らない」「見栄を張らない」「慎み深い」「控えめな」などの花言葉の他に、

「自然の美徳」というものがあります。

こんな雪椿にあやかって、日々、等身大で自然体で、自然との調和を何より大切に、

生きていきたいものです。(T)