10月から休みもなく手入れに追われる日々も、終盤を迎え先が見えたので、
精神的にゆとりが出てきました。
そんな中、竣工してから7年の時を経た雑木の庭の手入れに訪れました。
小さい庭ながらも雰囲気を増してきて、来るたびに喜びを感じます。
とくに7年間、消毒などせずとも健康に育っている木々たちのことを何よりも嬉しく思います。
設計した時のイメージを超え、小さなウッドフェンスの仕切りで囲ったことにより
逆に広さを感じられるということを確認でき、大きな収穫のできた庭でもあります。
師走の終盤にも関わらず、美しい紅葉をしているコナラを始め、
モミジやアオダモなども健やかに育っています。
そんな樹木の本来の成長のあり方を尊重して、
決して押さえつける手入れはせずに、のびのびと育った樹木たちの成長に、
私達は自然を感じ、喜びを感じているのです。
作庭当初、小学2年生で庭づくりを興味津々に眺め、笑顔の可愛かった小さな男の子も、
中学3年生になりたくましい青年になっています。
声変わりもして私達に会うことも恥ずかしそうにしていましたが、
話してみると笑顔は当時のまんま可愛い笑顔でした。
樹木も人間と同じ、押さえつけると反発して良い方向にはいきません。
上手にその個性を生かしていくように、
バランス良く手を加えて良さを引き出していかねばなりません。
小さい敷地ながらも家族4人分の駐輪場を確保しなければならなかったため、
敷地の半分以上が駐輪場ですが、小さなスペースほど雑木の特徴が生かされます。
敷地に対し広い駐輪場がネックでありましたが、居心地のよい空間を保っています。
家族の成長と共に、年々、庭も雰囲気を増していきます。
そんな庭の木々の変化から四季を感じて、そこでの日々の暮らしから、
感受性豊かな心に響いていくものが少しでもあれば幸いです。(F)





