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未来の笑顔のために

山梨県上野原市の陶陽庭で、過ぎし夏の日には、

このように威勢良くピンピンしていたヤツガシラの茎も

幾度かの台風を経験し秋も深まった今では、しなっとしてきました。

芋の収穫は一霜浴びた十一月頃になりますが、

一足先に地上部分の茎・ずいきを収穫しました。

皮を剥き一週間ほど日干しにして、美味しく美味しくいただきます。

主役の芋の部分だけではなく、副産物のずいきも無駄にすることなく、

秋の食卓の脇を固めます。

今年始めに寒仕込みをした味噌も、暑い夏を乗り越えて良い加減に醗酵が進み、

リンドウが庭に出てくる今、食べ頃となりました。

田楽味噌にしていただくと、寺田本家の米麹を合わせ半年以上の歳月を経て熟成された

この味噌は、噛むほどに味わいが深く手前味噌ながら滋味があるように感じます。

そんな寺田本家も出店している「土と平和の祭典」が、先日日比谷公園で行われました。

加藤登紀子さんや高野孟さんが世話人を務めるこの大地へ捧げる収穫祭は、

有機的な農的生活を国民的規模で作り出し、持続循環型田園都市と

里山往還型半農生活を創造して国民皆農運動を行うことを目標の一つにしています。

意識の高い農家や団体が多数出展し、音楽がそれを彩ります。

芝生広場の真ん中に組まれた竹のジャングルジムには子供たちが登り、

その上から音楽を楽しんでいました。

加藤登紀子さんは戦後日本が復興できたのは、田舎に健康な「土」と「水」があったからで、

そんな命の源さえあれば大丈夫と以前から言っていました。

しかし、その「土」と「水」が汚染されてしまった今は、現実から目を背けず

絶望しなければいけない状況であるけれど、その中でも希望を失わず

絶望に立ち向かうための力をつけなくてはいけないと言っていました。

このお祭りは、農家を中心に、どうすれば子供達の未来を笑顔で満たせるように

できるかを考え、土にまみれ、大地にしっかり根を張って生きている人達が集まっていました。

各分野で、いろいろな方々が懸命に活動されていますが、

そんな未来のために、植木屋としてできること、植木屋にできる社会貢献とは何なのだろうと

考えるお祭りでした。(T)