雑木林の新緑が一番色彩豊かな季節。
こんなにも新芽の色があるものかと思うほど、みどりのグラデーションが美しく、
山に咲く小さな花たちが色彩にアクセントをつけています。
鳥達のさえずりで雑木林は活気づき、生命力あふれる山に身を置くと、
穏やかな気持ちになり、強いエネルギーをもらった気分になります。
斜面地から花を咲かせているヤマブキです。
地味ではありますが、うぐいすが鳴き始める頃には咲き始め、
実も甘くて食べられるウグイスカグラなどが盛りを向かえています。
所沢の現場も、移植が芽吹きの時期と重なりました。
芽吹きの時期の移植は一番水を必要とするため、
根っこを切るとやわらかい新芽はぐったりとしてしまい、弱ってしまいます。
枝振りがよく素晴らしい木でも、突然の移植はできません。
根回しのできている、しっかりと準備してあるものを植え込んでいきます。
『雑木林の中で暮らしているような雰囲気にしてください』との希望でした。
話の中で畑仕事を趣味とされていることがわかりましたので、
庭の面積に対し大きく畑のスペースを確保して、ゆったりと楽しんでもらえるようになっています。
今回は建築の色が黄みがかったクリーム色です。
違和感のないように庭もある程度、色彩や質感を合わせていった結果、
はじめて使用した材料であふれましたが、味わいのある面白い雰囲気を醸し出してきました。
みどりが入ることで調和され、家もグッと引立ちます。
今回は新芽を傷つけることなく植栽を終えることが出来ましたが、気を抜くことはできません。
木の命を預かっているものとして、植物に無理はさせられませんから。
いつでもどんな時でも対応できるように準備を怠ってはならず、植栽から改めて学んだ気分です。
根回し、しっかりとした準備をすることで、はじめて可能になっていくこと。
未来に向かって、今何を準備していくべきか?改めて考えてみようと思います。(F)