» 庭づくりの知恵 - 手入れについて -

全体として雰囲気のある空間作り

私達は、単に一本の木の集まりではなく、全体として一つの生命体のような雰囲気のある空間作りを、手入れを通して目指しています。空気感は、部分の総和ではなく、木々と家の空間のバランスを調整することで、醸し出せます。

里山から深山幽谷まで

人が簡単には入れない深山幽谷の景色から、人と生物達が共生した里山の風景まで手がけます。屋久島や白神山地などの原生林は、悠久の時間が形成してきたもので、人が絶対手を入れてはいけない地域ですが、里山の雑木林は、人の手が入っているからこそ美しいもので、雑木林を生きた林として保っていくことは、熟練の技術を必要とするかなり難しいものです。雑木の庭を作る際、私達が頭に描いているのは武蔵野の雑木林ですが、限られた空間である住宅の庭でそれを再現する場合、木を大きく延ばせる林とは方法が違ってきます。

どこを切ったかわからない!

手入れの目的は、林床に光を取り入れ風を通すこと、木の成長を抑えること、そして雰囲気のある空間にすることです。高木からの木漏れ日がなくては、中木、低木は育たず、風が通らなくては、病気が発生したり、虫が大量発生したりします。木の成長を抑えるには、葉の量をコントロールすることが大切です。枝を落とす際は、小さくはするけれど、雰囲気は損なわず、柔らかく、どこを切ったのかはわからないのに、下に剪定された枝や葉がいっぱい落ちているというのが理想です。

庭の景色が変わります

そして、その剪定一つで、庭の景色が変わります。手入れ後、木々がどんな風景を描いてくれるか、お客様の期待を上回る仕事を心がけています。

大事なことは林床を清めること

手入れというと剪定ばかりに目がいきますが、何よりも大切なのは、林床を清めることです。自然林では、落ち葉はそのままで、それが木の栄養となり、生命が循環しています。しかし、住宅の庭では、積もった落ち葉は虫達の越冬場所となるので、掃き集めて、決められた場所で、醗酵させてから、木へと戻してやることで、清潔感を維持できます。手入れ後、林床が、すっきりしているのを見て、「あ〜きれいになった」というお客様の一言は本当に嬉しいものです。

時と共に風合いの魅力を増す空間

私達は、このようなやり方で、5年、10年と、先を見据え、時と共に風合いの魅力を増す空間作りに努め、私達自身も季節と共に成長していきたいと肝に銘じております。